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勤続18年で社内一“人に興味がある”ことを自分の希少価値に。転職せずにやりたいことを追求するはたらき方 ~MEET CAMP 大阪~

勤続18年で社内一“人に興味がある”ことを自分の希少価値に。転職せずにやりたいことを追求するはたらき方 ~MEET CAMP 大阪~

社会人ゲストの多様な仕事・はたらく価値観を深ぼりすることで、学生一人ひとりの視野を広げる「MEET CAMP」。記念すべき第1回目は、大阪に本社を置くロート製薬ではたらく、蔵方佑介さんをお招きしました。蔵方さんの「はたらく価値観」に触れ、自分らしい仕事や、自分らしいはたらき方とは何か?のヒントを探りました。

 

自分の希少価値はどこにある?「皆とあえて逆を行く」発想も必要

【蔵】ロート製薬の蔵方です。裕さんの高校の野球部の後輩にあたります。

人がはたらくということに興味を持ち、「人事や人材教育をやりたい」と思ってロート製薬に入社しました。最初の8年間は営業やマーケティングを担当し、9年目から現在まで人事をやっています。

今日は、広い視野で“はたらく”ってどういうことだろう、という話ができれば良いなと思います。

【モ】リアリティ・ショックを抱える若手社会人が76%いるといわれていますが、蔵方さんは入社後、ギャップを感じたことはありますか?

【蔵】ありましたが、辞めるまでには至りませんでした。同じような経験は皆さんもあると思うんです。アルバイトを始めてみたら想像とちょっと違ったとかね。

それと同じように、「ギャップってあるんだな」と感じただけでしたね。

【モ】大手企業で、長く活躍し続けられる秘訣はあるんでしょうか?

【蔵】僕は意見をストレートに言う人間。叩かれても意見を貫いたことで道が開けたんだと思います。

【裕】僕は同期とばかり付き合わず、先輩たちとも交流を持って自分を傷つける必要があると思っています。

最重要視されるのは“主体性”。皆さんが今「意見を上司や社長に言えますか?」と問われて「難しい」と思うならマインドチェンジする必要がありますね。

【蔵】この飲みかけのペットボトル、今は誰もいらないと思いますが、登山中で水がない状況だったら必要ですよね。

そうやって、いかに自分に希少価値を出すのかも1つです。 “みんなとあえて逆を行く”といった発想も大事だと思います。

【モ】自分のどこに希少価値があると思いますか?

【裕】僕が誰にも負けないと自負していることは、“60分以内で人の心を変える自信があるプレゼンテーション”ですね。

【蔵】僕は“人への興味”です。恐らく、今の社内1500人の中でも一番だと思います。

【モ】いつ頃から今のように複数の仕事をしているんですか?

【裕】2014年頃の関西学院大学での講演がきっかけですね。

 関学の学長から「ゼミを持たないか」とオファーいただき、会社に相談すると「いいんじゃない?」と言われスタートしました。そこから、社外での活動もやっていけるんじゃないかと思い始めましたね。

【蔵】僕は社内で働きがいプロジェクトのようなものがあり、「もっと人の働きがいを考えてみたい人集まれ!」という会社の呼びかけに対して手を挙げて始まった活動がきっかけです。

【裕】社内で別のことに携わることで、複数の仕事をするようになっていったということですか?

【蔵】初めはそこですね。

会社というのは大きくなるにつれて、セクショナリズムが働いて、それはこっち、それはあっちというように、組織で担当する仕事も区分けがされていきます。

でも営業だろうが人事だろうが、僕が目指しているのは、良い商品を提供してお客さんがそれを喜んで買ってくださる、ということでしかないんですよ。

「そのために何をするんだ?」「部署なんて関係ない」という思いを、自分の中で見出すことができました。

【モ】複業をしていて良かったと思う点はありますか?

【蔵】圧倒的に世界が広がりました

ある大学で学生の相談に応じた時、ロート製薬という社名は出さずに“メーカーの人事”として接すると、学生さんは利害関係を感じなかったのかリアルに自分のことを語ってくれました。

それに対して、僕も1人の大人として真剣に考え、向き合うことができた。

そうすると、やはり本業の場でも、「本当はこの学生はこう思っているのかもしれないな」と想像でき、話がスムーズに進むこともあるんです。これは世界が広がりました。

【モ】裕さんはいかがですか?

【裕】1社目で外資系企業に勤めていたんですが、その会社内ではコミュニケーションの中にカタカナが多く出てくるんですよ。

一方で関学に行くと、大学ですから言葉使いの面でも古風なんですよね。

「組織が違うと、こうも違うんだ」と実感することで得られるものがあるし、違った場に身を置くことで自分の武器や引き出しが増えるというのは大きいですね。

【モ】これから視野を広げたいという思いはありますか?

【裕】ラジオを極めたいなと真剣に考えています。

ラジオの世界では、全てを音声だけでリスナーに伝える必要があるので、何かを紹介する際などで、「これ」とは言ってはいけないんです。そういう“言葉で表現する”のスキルをより持てば、講演がもっと力強くなる気がするんですよね。

【モ】蔵方さんはいかがですか?

【蔵】今まで“人への興味”から、アナログな領域でやってきましたが、3、4年前から全く逆のシステムの領域へ行きたいと考えるようになりました。

AIによる面談など、これから必要となり得るさまざまな領域を早めに攻めていき、アナログである“人”と最先端の“システム”を繋げることは非常に面白そうだなと。

これは、働き方改革の第一歩という意味もあるんです。

テレワークを実現するにはシステム構築や制度も必要ですが、そうするとまた政治的にセクショナリズムが働いてしまう。

それを僕が組織を横断して動き、ある意味で現場をかき乱すというやり方で会社にも貢献できるのではないかと思っていますね。

【モ】10年後、どういう自分の姿を描いていますか?

【裕】まずスキルでいうと、魔法を使えるようになりたいです。

【モ】というのは…?

【裕】イベントなどで芸能界の方と会う機会があるんですが、部屋に著名人が入ってきた瞬間、一瞬で空気を変え、人の心を動かす魔法を彼らは持っているんですよ。

なるべく早めに相手の心を動かし、その後にある伝えたいことをより深く心に刻めるようになる、そんな魔法を使えるようになりたいですね。

【モ】蔵方さんはいかがですか。

【蔵】 “人”の中心にいたいです。

人事にいるので、職種柄、経営幹部と直接話す事が多いのですが、

何か人に関する意思決定の時に必ず登場する存在でいたいです。

世界一幸せな国、フィジーは何が違うのか?

自らの意思決定が幸福度を高める

【モ】では、参加している学生のみなさんからの質問をいただきましょう!何かお2人に聞きたいことはありますか?

【学生】就活を転職ありきで考えているんですが、どう思われますか?

【裕】僕は人材サービス会社に勤めていますが、転職はあまり勧めていないです。

転職って、思っている以上にリスクが大きいんですよ。もっと違うステージに行きたいとなったら、そのときの転職には賛成です。でも社内で何とかできる人は、転職を判断するのは今ではない気がしますね。価値観もやりたいことも変わりますから。

【蔵】全く同じことを言いますが、どちらでも良いと思います。

でも、実際に働く前の段階から転職を決めるのは勧めません。その場になってみないと判断できないと思いますよ。

【裕】何か不安に思っていることはないですか?

【学生】老後が不安です。

【蔵】世界一幸せな国、フィジーについての本を読むことをお勧めします。

「Are you happy?」と聞かれて「I’m happy.」って答える主観的幸福度ランキングでフィジーは1位。一方で、GDP、平均寿命、失業率などで計る客観的幸福度ランキングではフィジーはかなり低いんです。でも自分はハッピーと感じている。

日本はまったく逆なんですよ。なぜフィジー人は幸福度が高いのかかということが書いてあって、読むと結構人生観が変わります。

【裕】自分に突き抜けた能力があれば老後でもお金は稼げそうだし、老後という概念はなくなるかもしれないですね。働きながら死ぬということもあるかもしれない。

【モ】はたらくを楽しんでいるからこそ、終わりがなくても全然苦ではないんですね。

【裕】“働いている”“働かされている”という感覚がないからね。

【蔵】ないですね。自分で選んでやっていますから。

でも皆さんだって、家族、友人、学生、など色々な役割を選んでやっているんです。その中に仕事という役割が1つあるだけ

西洋には労働=搾取といった、文化や歴史があります。それが良い悪いではなく、若いうちは仕事に集中して働いて、老後を悠長に過ごすのもアリですし、僕らみたいにずっと働いて楽しく生きていくのもアリです。

それぞれが自分で考えて意思決定していくと、フィジーみたいに、「I’m happy.」って言えるのではないでしょうか。

「これだ!」というものを1つ持つ。

「今を大事にすれば必ず良い未来はある」

【学生】自分に合う会社を見つけるために、やっておくべきことはありますか?

【裕】僕はリアリティ・ショックって絶対あると思っているんです。

「会社が楽しいかどうか」って人によって感じ方が違うじゃないですか。

例えば、今僕が「寒い」って言っても、他の人の感じる「寒い」とは違うかもしれないですよね。

でも、その違う感性の人の言葉を、同じモノとして判断するからギャップが生まれるんです。

これを乗り越えるには「これがあったら私やっていけます」というものを1つは見つけて持っておくこと。それは業界や職種は関係ありません。

【蔵】どうやったら、その空間のリアルを自分で感じられるかということにも、知恵と工夫を絞ったほうが良いと思います。

企業の方に「御社の社風は?」と聞いても、何もわからない。

本当は社風を聞きたいのではなく、自分がこの中に入ってやっていけるかどうかを聞きたいんですよね。

そうやって状況をリアルに感じられるような質問を投げるのも重要だと思いますね。

【裕】「女性が活躍していますか?」という質問だと、人事からの回答は「活躍しています」で終わりということもあります。

だけど、「あなたの部署の3年目の女性はどんな仕事をしていますか?」と聞けば、会社のリアルが見えてきます

【モ】自分の軸を見つけるヒントはありますか?

【裕】学生の間は、軸を見つけられない人が多いと思います。皆さんの視野はまだ狭くて、軸を見つけられる段階になっていないから、見つけるには早いです。今の視野で見つかりやすいのは、「日本を元気にしたい」っていうような大きすぎる軸。これを狭めていくと、もっと細かなものが見えるようになる。

社会に出てから見つけても良いと思いますね。

【蔵】今一生懸命やっていることをやり続ければ、自然と見つかるのではないでしょうか。

僕は大学時代から幹事をよくやっていたんですが、先日1,300人の社員旅行でも幹事をやりました。学生時代と規模が違うだけで、核になる軸、つまり、人と人を繋げてその空間を作るという部分は一緒なんです。

「見つけなきゃ!」と根詰めず、思うがままに進んでください

【モ】最後に皆さんに一言お願いします。

【蔵】10年間、片腕を人にレンタルするとしたら幾らでレンタルしますか?

【学生】2兆円。

【蔵】皆さん今片腕あるじゃないですか。それは2兆円の価値を持っているということです。

すごくないですか?今あることにどれだけ感謝ができるか。これがフィジー流の考え方です。

リアリティ・ショックもあるかもしれませんが、これだっていうものが1つでもあればどうにでもなると思います。

今を大事にしてください。絶対に良い未来はあると思います。痺れるような感覚で就活してください。

【裕】今日の話から、「そういうものがあるんだ」という視野の広がりを意識してもらうことが大切だと思います。視野を広げる場として、もっと「CAMP」を使っていただきたいと思っています。

 

【参考】

「CAMP」×パーソル総合研究所共同調査 「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」

就職活動と入社後の実態が独自調査で明らかに
入社前後に感じるイメージのギャップ「リアリティ・ショック」を抱える若手社会人は約8割にも及ぶことが判明

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