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「意識高い系」になることがキャリアを切り開く鍵!!日本人と留学生の違いから見た、将来活躍する人材になる方法

「意識高い系」になることがキャリアを切り開く鍵!!日本人と留学生の違いから見た、将来活躍する人材になる方法

CAMPは、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームであるパーソル総合研究所と共同で「留学生の就職活動と入社後の実態に関する調査」を実施。調査結果から、留学生が日本型雇用や就活のあり方に対して違和感を抱いていることが浮き彫りになりました。また、留学生は日本人学生より独立志向が2.5倍高く、在学中からやりがい・成長を求めており、在学中のビジネス活動は日本人の3.3倍にものぼると判明。

今回の調査結果を踏まえ、CAMPキャプテン・佐藤 裕、パーソル総合研所・小林 祐児さんと関西学院大学 経済学部2年生の出射 里咲さんの3人で、留学生と日本人のはたらく価値観の違いや、今後社会に出る学生はどのような行動を取るべきか、一緒に考えてみた。

 

「夢がない」のは社会のことを知らないから

 

【小林】6月に発表した「留学生の就職活動と入社後の実態に関する調査結果」は、日本へ留学に来ている外国人大学生と、日本の大学を卒業し日本で就活を行い、現在も日本で働いている外国人を対象にしています。調査結果を見ると、留学生は「将来、独立したい」と考える人が58.9%と日本人学生の2.5倍にのぼり、非常に多いのに対し、日本人学生は「リストラがない会社で働きたい」と考える人が71.1%いるといったように、安定した環境を求め、背伸びしないという意識があることが分かります。ちなみに出射さんが学生時代にもっとも重点を置いていることはなんですか?

【出射】私は今、留学に行って現地の人と一緒に働くというプログラムへの参加を目標にしています。1年生の間は準備期間としていたので、サークルにも入らず、学業に専念していました。プログラムに参加するだけではなく、現地に行って即戦力になるために、自分自身の人間力を高めないといけないと考えています。そのため、プログラムの参加に向けて、自分でその国のことを調べたり、現地の文化や生活、仕事などに詳しい人を紹介してもらい話を聞いたり、PCスキルを学んでみたりしています。

【裕】日本の場合、大学3年生くらいになって急に大人から「夢を決めろ」と言われるんですよ。決めろと言われたときに焦らないようにするために、夢や目標が決めないまでも、自分が将来どのような方向性を歩んでいきたいかを、早いうちから考えておいてほしいです。そのためには、社会やビジネスに関する知識などを身につけるのは必須ですよね。

【出射】日本人の学生の多くは「夢がない」とか、「やりたいことがない」と言いますが、それは裕さんが今、言っていたように、社会を知らない無知な状態だから、自分のやりたいことが出にくいのかな、と私は思っていて。私も中高校生の時は、社会について何も調べていないかったので、世界がどう回っているのか分からなかったんです。でも、大学で経済のことを学んだり、自分の興味のあることを調べ始めたり、世界情勢や、ビジネス、企業のリアルを知ったりしていくうちに、自分のやりたい方向性が見えてきたような気がします。だから、いろいろなことを知るのは、すごく大事なことだなと思います。

 

今のままでは日本人は外国人とビジネスで渡り合えない!?

 

【小林】出射さんの周囲の留学生の中で、起業した人はいますか?

【出射】はい。まず1年生の間に社会人とコネクションを作りさまざまなことを学び、2年生から自分のやりたいことを見つけて起業していく、という人が何人かいます。

【小林】日本では自発的に手を上げなくても、ポジションや給与が自然に上がっていく仕組みがあります。入社をすれば、あとは流れに身を任せられる環境があるため、「どこに入るかが重要」という考え方を持ってしまう背景の1つですね。しかし、海外ではポジションが空いている所に手を上げて、自分からチャンスを獲得していかないと給与が上がりません。日本人は、有名な会社という箱に入りたがり、そこで自分が何をするかは、会社が決めてくれることと思いやすいです。逆に外国人は入社したあともチャンスを獲得し、パフォーマンスを発揮し続けることを重視する。これが日本人学生と留学生の“はたらく”ことに対する考え方の違いにひもづいています。

【裕】日本は「就職」ではなく、どの企業に入るかを重視する「就社」という考え方が強いので、そこを変えなくてはいけないという問題がありますが、もう少し大きな視点で見ていくと、日本は将来、労働人口どころか人口そのものが減るという問題があります。減少する労働力を補い経済を発展させるためにも、外国人をどんどん受け入れましょうという流れになり、今後10年、20年でビジネス社会に現在よりもさらに多くの外国人が入ってくる可能性が高いです。そうすると、言語や文化、宗教といった壁が出てくる以上に懸念されるのは、主体性がなくビジネスに関する基礎力が低いと日本人は、成長意欲の高い外国人と同じビジネスの土俵で戦うのは厳しくなる可能性があること。そのように考えていくと、学生が早い段階でビジネスに触れ、主体性やビジネスの基礎力を養うことは必要でしょう。あとは自分の生まれ育った日本のことを語れるようにすることなどで、自分の意見を主張する訓練を積むこと。そういったことが、当たり前にできるようになる必要があると思っています。

【出射】私はマレーシアに留学に行った時、学生の意識の高さにショックを受けました。自分は日本のことをうまく紹介できないし、日本の政治について授業で学んでいても、それはあくまでテストや受験のための勉強。自分のための学びとはあまり思うことができず、ほとんど身についていなかったんです。だからこそ、留学生と同じレベルで会話するためにも、もっと社会情勢や自分の国のことを理解しておかないといけないなと思いました。後は、自分が熱中しているものがあったら、それについて語ることができますよね。たとえばITについて語れる、ドイツ語のことについて語れる、とか。それがあると、会話にもっと深みが出て、自分が相手から一方的に影響を受けるのではなく、お互いに刺激を与え合う関係になっていくのかな、と思っています。

【小林】出射さんは留学生の友人からどんな影響を受けていますか?

【出射】基本的に留学生たちは、政治や自分のキャリアの話など、日本人の学生と話している内容が全然違うんです。まず、自分の将来のことをしっかり考えている。それから彼らはコミュニケーション能力や主体性といったことだけではなく、具体的なビジネススキルや経営のこと、たとえばIT系に興味を持っている人は「ITの領域で成功するためには、こういうビジネスをしていかないといけない」というような話をしています。このような話を聞くと、私も将来を考え、そのために知識を付けるなど、準備をしないといけないなと強く感じますね。

 

就活の原則は「視野を広げて縮める」

 

【小林】出射さんは現在、就活を行っている先輩を見て、どんなことを感じますか?

【出射】先輩たちは自分の興味に合う企業を見つけるために、企業を探しているという印象を受けます。もちろん時間がないから、仕方ないことだと思うんです。でも興味のない会社を知ることで、興味がある会社についても違う見方ができたり、視野が広がったりする。「こんな会社があって、こんなことやってるんだ」と知ることは、とても重要だと思います

【小林】就活では多様な選択肢があり、大学3年生のタイミングで選択することは、本当に難しいです。難しくはありますが、ここでの選択は2つのパターンに分けることができます。1つは最初から「自分はこれだ!」と決め打ちしてしまうパターン。もう1つは、いろいろ見過ぎて何をやっていいか全くわからない、という状態に陥ってしまうパターンです。しかし、さきほど出射さんが言ったように、就活の原則は「視野を広げて縮める」です。いったん幅を広げて情報収集して、いろいろな会社やビジネスを見て、それから自分のやりたいことを、「これだ!」と思えるものを絞っていくのが有効だと思います。

【裕】普通の大学生活を過ごして、就活を始めると、4、5月ごろに「自分のことが分からないんです」という悩みにぶつかる学生が結構多いんです。よくたとえで言っているんですけど、南米のガイアナ共和国をご存じですか? おそらく知らない人が大半ですよね。未知の国であるガイアナ共和国で生活していることをイメージして、と言われても難しいと思います。要は行ったことがなくて知識がない国だと、その国について考えてようとしても、結局は分からないという答えになってしまう。実は、これと同じ現象が就活にも起きているんです。社会やビジネス、会社についての知識を持たない学生が、なんとか今ある知識だけで想像しているので、分からなくなるのは当たり前のことです。そのため、行ったことのない国を徹底的に調べることや、そこに実際に行ってみようとするのと同じで、学年に関係なく、なるべく早くから社会と接点を持ち、ビジネスについての知識を得て、インターンシップのような場でビジネスを疑似体験することを繰り返すべきだと思います。それこそ先ほど出射さんが言っていたように、「絞ることなく方向性だけを決めていく」というのがいい流れでしょう。私は、大学生の時には夢や目標を決めなくていいと考えています。ただ、将来自分がどうなりたいか、方向性を決めるための社会性や知識、体験を積極的に得ていってほしいですね。

【出射】私は、まず自分を理解する必要があると感じているので、自分の人間力を高めようと思っています。そのためにはいろいろな経験をしたり、新たな人と出会ったりしないと、自分がどういう人間なのか分からないと思うので、どんどんチャレンジしてみることを忘れないようにしたいです。そして、おそらく日本の新卒一括採用は私の時代ではまだ変わらないと思うので、今の段階から就活のことを意識して、どんな企業があるのか、どういう業界があるのかという学びを深めることがとても大事だと思いました。

 

新しい時代に安定したい人は、自分自身の力や価値を高めることが必要!

 

【小林】今回の調査結果を見ると、留学生は日本人学生に比べて、やや興味の対象を狭め過ぎかな?というデータがあります。勉強に集中し、かつ日本独特の就活マナーへ対応するために、就活がマニュアル頼みになるという特徴もありますね。留学生が日本の企業に入社した後、何が活躍を助けるのかというと、コミュニケーションや働き方を含めた日本の文化的な知識をどれだけ理解しているかです。そして、日本文化についての知識や教養は何で培われていくかというと、調査では「アルバイト」の影響が大きいと分かりました。留学生も日本人学生のようにアルバイトなどを通じて、学内や同世代の友人以外の人脈を広げることが、就職にあたっては大事でしょう。

【出射】留学生が日本人学生から学べることもあるのですね。

【小林】そうですね。いずれにせよ、最終的なゴールは内定ではありせん。学生のみなさんに忘れて欲しくないのは、内定した後も「どういう人がこの会社にはいるんだろう?」と、その会社のことを知り続けていくことです。

【裕】自分の視野を広げる方法としてお勧めなのは、1日1社、CMや広告で気になった会社を、どんな会社なのかホームページやIR情報見るなどして調べてみること。これを積み重ねていくと、1か月平日だけでも20社についての知識を得ることができます。そんな研究を半年もやったら、とんでもない数の会社を知ることができるはずです。すると自然にいろいろなことがつながっていく瞬間があって、社会やビジネスについての構造を理解できるようになります。そして、社会人との接点を持ち、自分で調べたことに対して、社会人の目線で補足や修正をしてもらうのが、視野を広げるためには一番良いのではないかと思っているんです。

【出射】興味のある会社、という切り口ではない方がいいのでしょうか?

【裕】興味がないと思っていた分野であっても思わぬ発見や、調べてみたら思っていた以上に面白いということがあります。私は、この発見や出会いが、とても重要だと思っているので、興味の範囲だけで終わらないでほしいですね。

【小林】あと、学生はぜひ授業を生かしてほしいです。授業というのは、ものすごく貴重なリソースであり、自分が興味あろうとなかろうと、毎日新たな情報や知識を得ることができます。だから授業を真剣に聞くことも、社会に興味を持つことの訓練になる。さらにどの授業もある程度しっかり聞いていくと、「こことここは、つながっているんだ!」という発見があると思います。授業の外と中、授業と授業を関連付けて往還的に学ぼうとする学習態度をラーニング・ブリッジングといいます。会社のつながりも似ていて、調べているうちに「この会社とあの会社はグループ会社なんだ」と新たな発見がある。それが自分の興味に変わっていくんです。

【裕】それから視野を広げた後、どこが自分に合うかを絞る時に気をつけた方がいいのは、自分の持っている知識だけで判断しないこと。アルバイトでもインターンでも、その領域で働く社会人に会って話を聞き、実際に仕事を体験してみましょう。また、興味のない業界の人に会うことや、1日でもよいでのその仕事を経験してみると、「こういう業界の人たちの考え方とは、私は違うんだ」と気づくことや、逆に「今まで興味はなかったけれど、この業界の人は熱くていいな」と思いもよらない発見があるかもしれません。ただ、その時に、出会った人に惹かれて、その業界や会社にいきたいと思わないように注意してほしいです。あくまでも会社、業界といった枠組みで考えて、判断してください。

【出射】裕さんが言ったようにCMや広告を見て、「この企業はどんな企業だろう?」と調べてみるのは、私にもできるなと思いました。また小林さんが言ったように、大学でたくさんの授業を受ける中で、「自分が興味ないから聞かなくていい」ではなくて、自分の幅を広げるためにも、授業を聞くという姿勢で取り組むと、これまでより有意義な時間になると思いました。

 

【裕】今回のディスカッションを通して大学生の皆さんにお伝えしたいメッセージは、一言で言うと「意識高くあれ」ですね。社会人になったら、どこかのタイミングで必ず自分と向き合い、キャリアを考えなくてはいけない。意識が高いと言われる学生は、そのタイミングが早かっただけなんだと思います。新しい時代は、組織依存ではなく個に依存する時代になるから、本当に安定したいと思う人は、自分自身の力や価値を高めることが、とても重要になりますね。意識が高いことは、それだけ自分の将来を真剣に考えるという、実はとてもかっこいいことなんです。

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