• イベント
  • CAMP レポート

どう輝くかは自分次第。「好きを仕事にした人」と「好きを仕事にしない人」 ~MEET CAMP 福岡~

どう輝くかは自分次第。「好きを仕事にした人」と「好きを仕事にしない人」 ~MEET CAMP 福岡~

社会人ゲストの多様な仕事・はたらく価値観を深ぼりすることで、学生一人ひとりの視野を広げる「MEET CAMP」。第5回目は福岡での開催です。一風堂でお馴染みの力の源カンパニーの関口照輝さん(現sense.代表)、若手起業家の松口健司さんをお招きしました。関口さんと松口さんの「はたらく価値観」に触れ、自分らしい仕事や、自分らしいはたらき方とは何か?のヒントを探りました。

 

自分なりのアンテナを張っていれば、いつか来るチャンスを掴める

 

【関口】ラーメンの一風堂などを運営する株式会社力の源カンパニー、関口です。2016年に入社し、社長室での業務を経験した後、人事を担当しています。今後、人事領域支援やデザイン・ブランディングを行う会社の起業も考えています。

僕は小学生から食べ歩きをするくらいラーメンが好きで、大学時代に一風堂でアルバイトを始めました。

一風堂が ニューヨークに海外初出店する時、現地の一風堂ではたらくために、日本で通っていた大学を休学し、 ニューヨークの大学に行きましたここが転換期です。

そこで、ニューヨークの一風堂に行列ができるのを目にして、「日本ブランドを世界に伝える仕事がしたい」と思い、新卒でユニクロに入社しました。

在籍した3年間は、正直に言うとあまり仕事を楽しめていませんでした。

それは、僕が「日本ブランドを世界に伝える」という手段をメインに会社を選んでしまったからです。つまり、会社が良い悪いではなく、自分自身の問題でした。

その後、ご縁があってリクルートに入り、そして今の会社に社員として出戻ってきました。

やはり、自分が好きなものをとことん突き進めていく方が、絶対的にチャンスがあると思っています。

【松口】皆さん、こんばんは。僕は、大学2年生の時にシリコンバレーに留学しました。日本に帰国した後は就活をしていた時期もありましたが、就職ではなく起業の道を選びました。起業したい人を支援するための活動をしていた経験もあります。今年25歳で、引き続き会社経営しています。

【モ】好きなことを仕事にするということについてはどう思われますか?

【松口】「好きを仕事にしたい」と学生から相談されたら、僕は止めておいた方が良いよと言っています。

例えば、「野球が好きだから球場ではたらこう」と売り子をやっていたら、試合は全く見られないといったことってあるんですよね。

好きで入社したら、逆に嫌いになってしまったという話もよく耳にします。

【関口】僕はラーメンを食べる時の空間も、はたらいている人のエネルギーも好きでした。飲食業界は人を喜ばせることが好きな人が多くて、その人たちと一緒にいる空気感が好きだったのかもしれません。

「好きってなんだろう」と考えて、きっとラーメン(飲食)なんだろうと当時思ったため、その道に進むことを決められたんだと思います

【モ】起業に対して怖さを感じたことや、悩んだことはありますか?

【松口】とにかく目の前のことを頑張ろうと思い活動してきたら、今があるという感じです。

僕のポジション的には、「みんな起業しよう!」と言いたいんですが、起業がすべてではないとも思っています

例えば、以前、ある企業にプロモーションの提案したんです。そこで最終的に決まった施策は、予算が1億円かかる大きなものでした。ただし、提案をしたものの1億円を投資できるようなアイデアや思想が、どうひっくり返っても自分からは出てこない。僕は“お金をかけて面白いことをする”という脳の使い方はできないんだと痛感しました。

その時に、「起業することで世の中を変えられると思い込んでいたけど、本当はそうじゃなくて、大企業が世の中を変えているんだ」と思いました。

だから、僕はどこかに就職することが嫌だとは全く思っていなくて、むしろ大手企業が日本を変えているし、大手企業の方が変えていきやすいということも感じています。

【裕】シリコンバレーに行ったのはなぜですか?

【松口】父親の社長業を継ぐことを前提とした教育を受けていたので、社長や起業家になることに全く壁を感じていなかったんです。

それで、20歳で起業の聖地シリコンバレーに行きました。刺激だらけで、スタンフォードの学生たちには「もう全部負けた」と思いました。

性格もルックスも良いし将来のビジョンもあって、「もう無理です、完敗」という感じ。そういう経験が、転換点にもなっていると思います。

【モ】関口さんは声をかけられたことが、力の源カンパニーに転職するきっかけだったとのことですが、そのご縁はどう生まれたんですか?

【関口】リクルートに在籍していた時に、社長の秘書をやらないかと声をかけてもらいました。

僕の好きな言葉に「幸運は準備とチャンスの交差点」というものがあります。

運って、準備してきたことと思わぬチャンスの交差点に自分が気づけるかどうかだと思うので、そこは意識していますね。

【モ】秘書にならないかという話は、学生時代のアルバイトからずっと繋がり続けていたからあったのですか?

【関口】そうだと思います。

当時の一風堂は、年に1度全国のどこかでイベントを実施していて。僕はどこで開催されていたとしても顔を出していました

【モ】起業って多くの人との繋がりも大切だと思うのですが、どのように関係性を構築されてきましたか?

【松口】与えられた機会が何かあれば、必ずそこに行くようにしています。

就活をしていた頃も、今日のような就活イベントがあれば、自分のフィルターを通さずに、とりあえず行くことは意識していました

福岡は飲みの文化があり、その場でできるコミュニティもたくさんあるので、心強く感じます。

東京でも同世代の起業家と繋がれる環境があるのですが、彼らと接していると視座が高くなるというか、自分もまだまだだと感じさせてくれるので、とても良い時間です。

 

今求められるリーダーとは?それぞれの「リーダーシップ論」

 

【学生】色々なキャリアって偶発的なんだと思いました。

【裕】経済環境や労働環境なども含めて、将来の日本を見通せる人には偶発性は必要ないです。

でも、今未来を見通すことは不可能に近いです。入社して40年間同じ会社にいる時代は、将来に起きる変化があまり大きくなかったので未来を見通しやすかったです。しかし、今は変化が大きすぎて将来を見通すことが非常に難しい。第一線で活躍するビジネスマンは今、みんな偶然を捕まえて行動しているように思います。

【学生】どういう人がリーダーに向いていると思いますか?

【裕】今のリーダーシップで重視されていることは、人を巻き込みながら自分の主張を前に進めていける力です。

関口さんはどういうリーダーシップ論をお持ちですか?

【関口】新卒1年目でユニクロの店長になり、自分の実力不足に直面した時、周囲に認めてもらうには「現場の声を聞くべきだ」と思ったんですね。

それで、例えばスタッフに指示を出した後に、そのスタッフが行動してくれたことに対して、フィードバックをきちんとするようにしました。「この人は、私の仕事をちゃんと見てくれている」ということがスタッフに伝わるかなと思ったんです。それで信頼構築ができたので、これがコミュニケーションなんだと感じました。

その後、営業職で入ったリクルートでは“羊飼い型のリーダーシップ”というものを知りました。

これは、「檻の中に羊を束ねていくために、羊飼い=リーダーである自分はどう誘導していくか」という発想です。

そこで実行したのが、自分が苦手で相手が得意な分野は積極的に任せて、みんなに「自分はこの組織に必要なんだ」という自己肯定感を作り出し、後ろから組織を推進していくこと。

それが、僕なりに実践しているリーダー論かなと思います。

【松口】福岡出身の起業家の家入一真さんと仲良くさせてもらっているのですが、一見すると「社長だぞ!」ってオーラを出してないというか、見栄を張ってないというか、とにかく僕の想像していた社長の像とは違うんです。

ただ、彼の周囲にはデキる人がいて、その人たちが彼を支えていて、そういうリーダーもいるんだなと。僕の思っていたリーダー論が壊わされました。リーダー論も100人いたら100通りあるので、外を見て、自分のリーダー論を考えすぎない方が良いのかもしれないですね。

【学生】幼児教育が要だと感じていますが、子どもを教育する親に対しての教育を社会ができていないのではないかと思っています。

【裕】フィンランド教育では、先生は興味や関心をかき立てる役で、勉強だけでなく、さまざまなことを教えているんです。日本では、先生が人生教育をできなくなってきていますね。

日本の学校って、子どもへの教育だけではなく親の対応に追われてしまうこともあるから、大切な所が抜けてしまうこともあるんですよ。

 

自分らしく生きるには時にお金も必要。はたらいて稼ぐことの大切さ。

 

【モ】親御さんから受けた影響はありますか?

【松口】僕の父親は会社を経営していたのですがうまくいかず、小学2年生の時から母子家庭です。1人で子ども3人を育ててきた母親から価値観の面でも大きな影響を受けています。

一番大きいのは、「生きているだけで感謝しなさい」ということ。

僕はそれを間違って「生きていれば何してもいい」と解釈して今があるんですが(笑)、その言葉は今も残っていて、行動の原動力になっています。

【裕】私は幼少期、お坊ちゃまだったんですが、急に会社がおかしくなり、とんでもない借金を抱え、親も離婚したので、“はたらく・お金・家族”という観点で、すごく学ぶことが多かったですね。今となっては良い環境だったと思います。

お金が無いと生活が成り立たなかったり、はたらくなかで個人の価値観が形成されたりするので、お金を稼ぐことも大切だと思いますね。

【モ】「奨学金が返済できないから給料の良い会社へ行く」と悩む学生を多く見てきました。そこをどう割り切れば良いと思いますか?

【裕】何を重視するかだと思います。

平均年収が高ければ稼げる会社とは限らないし、平均年収が低い会社でも稼ぐ人はいます。

「自分は何ができるのか」という軸がないと、良いと思える会社に入っても稼げない人もたくさんいるという現実を知った方が良いと思います。

【松口】「お金がなくても幸せなら良い」という価値観って少しずつ広がってきていると思います。

個人的にはお金は一つの指標かなと思っているので、しっかり稼ぐという感覚は、大学生のうちに身につけてほしいです。

資本主義社会なので、何かをして稼ぐということは絶対的に大切だし、自分の価値を測れるものでもありますからね。

【裕】アパレル業界も飲食業界も給料が安そうというイメージが世間にはありますよね。

【関口】飲食業は好きでなければ、続けていくことは厳しいと思っています。

だからこそテクノロジーを取り入れたり、飲食業界の利益構造を変えて、もっとあらゆる人が集まる業界にしていくかということに関して、まだ課題がたくさんあると思います。

【学生】「お前、尖ってない」ってよく言われます。経営者の方にとって、“尖る”とはどういうことですか?

【裕】人によって使い方は違いますよね。

人事から見る“尖り”とは、人と違う部分を持っていてそれを自覚し、さらに磨いて、かつ積極的に使っていることです。

皆と同じような人間になることを「嫌だ」と思い、自分の武器を磨いている人が“尖っている”と言われると、私は思います。

【関口】難しいですが、他の人よりもいち早く行動し、アクションを起こしている人もある意味尖っているのかもしれないですね。

【松口】“どの市場で尖り、誰に尖っていると言われたいのか”という観点もあると思います。

転職市場で転職エージェントから尖っていると言われたいのか、同期の中で尖ってると言われたいのかで、違ってきます。

どの分野で誰に言われたいのか、という所で変わってきそうですね。

 

【モ】最後にメッセージをお願いします。

【松口】福岡を拠点に学生時代からずっと会社を経営している身としては、「就活だけが手段ではないから、そんなに悩まなくても良いよ」ということを伝えたいです。

【関口】仕事もプライベートも、人生をより良くするという点でいうと同じぐらい重みがあり、同じぐらい大事です。

皆さんが思っている以上に仕事って面白いので、仕事とプライベートを切り分けるのではなく、自分はどんな風に生きていきたいのかを考え、そこに楽しさを見出すといいと思います。

【裕】今が超楽しいと胸を張って言える大人と付き合っていけば価値観が変わる、というのがまず一つのメッセージです。

あと、大学生のうちに夢や目標を見つけることは非常に難しいです。

社会のことを知らない人が、社会に出てからの夢を見つけることになるので想像でしかなくなってしまいます

社会に入ってから夢や目標を見つけてもいい時代だから、大人はこうであるべきという既存の枠組みを、ぜひ壊していってください

 

【イベント実施日】2019年11月26日(火)

最新の記事

ページトップ