「面接対策をすればするほど評価が下がる時代」CAMP×デジタルハリウッド大学 特別講義

CAMPキャプテンで「はたらクリエイティブディレクター」の佐藤裕が、デジタルハリウッド大学にて特別講義を開催。90分×4時限という長丁場にもかかわらず、集まった約40名の学生たちは熱心に耳を傾け、ディスカッションに参加してくれました。本レポートでは、この特別講義の中から「アルバイトの分析」と「模擬面接」に関するセミナーの様子をお届けします。

「大学生活はすべてがチャンス。」
就職活動に限った話ではなく、大学生活というものは、これから社会に出てどんな仕事をしようか、自分のキャリアを考える時間でもあります。つまり「はたらく」に向けた準備期間ですね。この準備が正しくできるかがとても大切。大げさな話ではなく、大学生活で人生は大きく変わります。大学生活はすべてがチャンスと言えるかもしれません。今どんなアクションをすると、夢に向かって道を切り拓くことができるのか。今日は皆さんにちょっとした刺激を与えながら、そんな「気づき」を得てもらえたらなと思います。

では、早速ですが、皆さんに考えてほしいテーマがあります。それは「新入社員の約30%が入社3年以内に辞める」という事実です。せっかく就職活動をして希望した会社に入っても、すぐにドロップアウトしてしまう。なぜだと思いますか? 最大の要因は「社会人基礎力」が身についていないから。社会に出ると、学生の時とはまったく異なる力が必要とされます。例えば、「コミュニケーション力」や「空気を読む力」「ロジカルシンキング」などですね。これらの力は、会社に入ってから開発するのでは遅いんです。気づくと会社でついていけなくなっていたり、「思っていたのと違う」とギャップを感じたりして、耐えきれずに辞めてしまうわけです。そんなミスマッチを生まないためにも、準備期間である今のうちからしっかりと、能力を高めていってほしいと思います。

「企業は学生の経験を、そのまま買ってくれるとは限らない」
では、「社会人基礎力」を今のうちから開発するにはどうすればよいか。まずは、社会人とつながること。身近なところでは、アルバイトが絶好のトレーニングの場です。皆さんが、今しているアルバイトは、自分の能力を開発してくれるものですか。将来のために役立つものでしょうか。多くの時間を費やすアルバイトは、ぜひ慎重に選んでください。デジタルハリウッド大学の皆さんのなかには、将来たとえば映像系の仕事に就きたいから、今から映像系のアルバイトをしているといった方も多いと思います。将来への繋がりがストレートに見えるでしょう。ただ、注意してください。実は、それが思わぬ落とし穴となる可能性もあるんです。あるテレビ局の人は面接の際、「テレビ局でアルバイトしていました」とアピールする学生は、他の学生以上に厳しい目で見ると言っていました。それはなぜなのでしょうか?企業は学生がアルバイトで得た経験を、そのまま買ってくれるというわけではないからです。先ほどもお伝えしましたが、企業が学生に求めているのは「社会人基礎力」であり、アルバイトでの実務経験ではありません。直接的なつながりよりも、アルバイトを通じて、どんな能力が身についているのか。それは、自社に必要なものなのか。そういう視点で見ているのです。企業が見る視点を踏まえて、今のアルバイトが本当に将来につながっているのか、もう一度考えていただきたいと思います。

「面接対策をすればするほど評価が下がる時代」
さて、ここからは面接についてお話していきましょう。面接対策本を読んで、質問に対して「どう答えるか」といったテクニックを勉強するのは20年前の就活。もはや時代遅れです。はっきり言って、今は面接対策をすればするほど評価が下がる時代。では、どうすればいいのか? まずは「企業が何を求めているか」「面接で何を見ているか」を知ることがポイントになってきます。皆さんのようなクリエイティブ系やエンジニア志望の学生の場合、どの程度の技術を持っているかといったことは、面接以前にレジュメやポートフォリオで判断されてしまいますよね。ですから面接では、自己紹介や志望動機、自分の強みや弱み、夢といった話題が中心になってくると思います。果たして上手に答えられるよう準備することが正解なのでしょうか?模擬面接を交え、話を進めていきたいと思います。

「大事なのは、入社後の姿をイメージさせること」
皆さん、どうでしたか? このぐらいの圧迫面接は実際にあります。怖いと思うかもしれませんが、なにもあなたが嫌いだからいじめているわけではなく、圧迫面接には意図があるのです。先ほどの面接官は、とても厳しい業界の人事部長という設定でした。この会社で営業の社員としてやっていくには、得意先の怖くて厳しいお客さんたちに圧迫されても耐えなければならない。だから面接に来た学生にも、わざと圧をかけて反応を見ていたんです。そこで逃げ出したり泣き出したりするようだったら、うちの社員にはなれないということですね。「マンホールはなぜ丸い?」といった質問をした意図は、発想力やアドリブ、人柄を見たかったから。答えのないような話を振ったとき、どう答えるかで「人としてのセンス」が出ますよね。それで、模擬面接を受けてくれた彼ですが、実際の採用試験で言うと一応合格ラインです。どう、びっくりするでしょう? はっきり言って話は面白くなかったし(笑)、発想力もまだまだだけれど、まっすぐに私の目を見て「分かりません」って言う表情に誠実さを感じたんですよ。彼は逃げない人なんだ、人柄としては悪くないなと思ったんです。だから合格ラインですね。

企業が学生の何を見てるか、イメージできたでしょうか。面接対策をして、どんなに上手にプレゼンテーションできたとしても、面接官はそこを見ていません。見ているのは、今、目の前にいるあなたではなく、入社してからのあなたの姿です。それをイメージさせることができたら、内定は出ます。そのためにはまず自分を理解し、自分の言葉で人柄を伝えること。これから面接を受ける学生は、この点を意識していただきたいと思います。