「堂々と、1円でも多く稼ぐ努力をしよう。」杉村太蔵さんの考える”はたらく流儀“とは

2017年も残すところ1カ月余りとなった11月下旬、「CAMPセミナー@ベルサール御成門」が開催されました。ゲストは元衆議院議員で現在は実業家、政治評論家、タレントなどさまざまな顔をもつ杉村太蔵さん。華やかに見えるキャリアの裏側には、大学を中退し、派遣社員として働いていたという過去も。多彩な経歴をもつ杉村さんに、はたらくを楽しむための仕事の流儀について語っていただきました。

「堂々と、1円でも多く稼ぐ努力をしよう。」

佐藤 裕(以下、裕):実は僕と太蔵さんは、1979年生まれの同い年なんです。でも同じ38歳でも全然違う経歴や価値観をもっています。今日はそういった部分も皆さんに感じとってもらえればと思います。早速ですが、太蔵さんにとって働く上でのモチベーションは何ですか?

杉村 太蔵さん(以下、太蔵):ズバリお金です!これはライオンになぜ狩りに行くのかと聞いているようなもので、答えは生きていくためです。僕にとっては仕事=生きるためにお金を稼ぐことなんです。だから明日からテレビで僕を観たら「コイツ、お金のために出てるな」と思っていただいて結構です(笑)。

裕:いきなり禁句領域に入りましたね(笑)。これは学生の皆さんが説明会などで出会う社会人は絶対に言わないことだと思います。

太蔵:もちろん、僕がテレビに出る理由には若い人にもっと政治・経済に興味関心をもってもらいたいからという想いもあります。でもこれから社会に出ていく皆さんには、とにかく1円でも多く稼ぐぞという気概をもっていただきたい。なぜなら皆さんが感じている以上に、世の中は売上げや利益に対してシビアなんです。その厳しさを今から意識しながら学生生活を送っていただきたいと思います。

裕:仕事とお金ってとても重要なテーマなんですが、日本ではそういう話は御法度というような風潮もあります。

太蔵:僕は衆議院議員になる以前は外資系の証券会社で働いていたので、そこで稼ぐことの大切さを徹底的に学びました。当時の上司に言われて印象的だったのが「 1円でも多く稼ごうとする行為は、1円でも多く付加価値をつけようと努力することだ」という言葉です。そもそも人は「おいしいものを食べたい」「キレイな服を着たい」など、幸せになるためにお金を使っているわけですから、自分が稼いだ分だけ誰かを幸せにしていることになるんだと。だから民間企業で働く人はどの企業であれ、やはり1円でも多く収益を上げること、付加価値を付けることを意識すべきだと思います。それが学生と社会人の決定的な違いであり、もっと言えば日本人と中国人や欧米人との差だと思います。

「目の前の仕事に全力を尽くすことで、未来は切り拓ける」

裕:仕事=お金ということですが、太蔵さんにとって一番の財産は何ですか?

太蔵:これは僕の誇りなんですが、いまだに証券会社時代の仲間や上司と交流があるし、衆議院議員時代の自民党の方々にも声をかけていただいています。これは本当にありがたいことです。長く人間関係を続けていけるということは、これこそお金には代えがたいけれど、これほどお金になることもないんですよ。お金、お金って言って申し訳ないですが(笑)、人脈は金脈ですから。

裕:特に印象に残っている出会いはありますか?

太蔵:一番印象的な出会いは、大学を中退して派遣社員として清掃員の仕事をしていた時のことです。当時はちょうど就職氷河期。大学に6年も通った上に中退した自分に就職先が見つかるわけもなく、派遣会社に登録して清掃員として働くことにしたんです。他に仕事の当てもないので、とにかく毎日ピカピカになるまで一生懸命トイレ掃除をしていました。そうしたらその仕事ぶりがたまたま派遣先企業の幹部の目に留まり、「うちに来ないか」と。それが先ほどお話しした外資系証券会社だったわけです。ここが僕の奇跡の第一歩ですね。

裕:トイレがピカピカになるまで掃除をしていたということですが、なぜ派遣社員でそこまでのモチベーションを保つことができたんですか?

太蔵:当時は夢も希望もありませんでしたが、自分にはこれしかないと思っていましたから、とにかくクビにならないように誰よりもキレイにするつもりで掃除をしていました。もし適当に掃除をしていたら幹部の方から声を掛けられることはなかったでしょうね。

裕:普通は、トイレの清掃員が証券マンにスカウトされるなんてことはないですからね。

太蔵:僕自身、夢にも思っていなかったです。まさに運だったと思いますが、世の中の運を定義づけるなら、得てして出会いに尽きると思います。そしてその出会いを後々までつながる“人脈”に変えられるかどうかは、その人の実力にかかっています。日常生活でもたくさんの人に出会うと思いますが、ほとんどの人とはその場限りの関係で終わってしまうはずです。でもたった1度の出会いでもいい印象を残すことができれば、必ず次につながると実感しています。

「なりたい自分ではなく、なってよかったと思える自分に」

裕:それでは最後に太蔵さんから若者へメッセージをお願いします。

太蔵:これから社会に出ていく皆さんは、未来に不安を感じて当然だと思います。この先、どうなるかなんて誰にも分かりませんからね。そういう状況でも明るい未来をつかむためには、やはり今日、目の前にあることに全力を尽くことが一番です。今日、全力を尽くせない人間が、明日から全力を尽くせるわけがありません。働き始めてから仕事に誇りや喜びをもてるようになるまでは、少し時間がかかると思います。今の僕のキャリアも、何かを目指して築いたものではありません。でもなれて本当によかったと思うし、今、自分は本当に幸せだと感じています。皆さんもぜひ、今なりたい自分よりも、将来なってよかったと思える自分になっていただきたいですね。

裕:今回は「お金」というキーワードが印象的でしたが、学生の皆さんはそこにとらわれずに自分の価値観を貫くという姿勢に注目してほしいですね。太蔵さん、貴重なお話ありがとうございました!