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「豪腕投手」から「敏腕実業家」へ。 失敗を恐れない、一歩踏み出すコツ

「豪腕投手」から「敏腕実業家」へ。 失敗を恐れない、一歩踏み出すコツ

187cmの長身から繰り出される剛速球を武器に、横浜DeNAベイスターズで9年間プロ野球選手として活躍した小杉陽太さん。引退後、たった一ヵ月で自らの会社を立ち上げた小杉さんの根底には飽くなき好奇心と失敗を恐れないチャレンジ精神がありました。

DeNAの球場に入るまでのワクワク感を煽る仕掛けから学んだこと

野球選手を引退後(2017年に横浜DeNAベイスターズを引退)、今はどんなお仕事をされているんですか?

小:イベント企画や制作、PRを手掛ける会社「l’unique(リュニック)」を立ち上げて、今は動画広告などいろいろと興味のあるジャンルを手掛けています。

野球選手を引退された方は野球関係の道に進むというイメージがありますが、小杉さんが起業の道を選ばれたのはなぜですか?

小:もともとIT業界にも興味があったのでどこかの会社に入るというのも考えたんですが…。
やっぱり自分がやりたいことを自分の意志で決断するには会社作るしかないなと思って。起業するなら引退した直後のタイミングしかできないですしね。

イベント制作や動画広告を手掛ける会社にされた理由は何だったのでしょうか?

小:在席していた横浜DeNAはチームのブランディングがすごく上手だったんですよね。
例えば、みなとみらい駅や関内駅から横浜スタジアムまでの道程をDeNAの広告がジャックしていたりして、球場に入るまでのワクワク感を煽る仕掛けがすごくうまい。それがすべてのきっかけです。

なるほど。ご自身のチームのブランディングに魅力を感じられたんですね。

小:そう、それで人の心をワクワクさせられる仕事っていいなって思って。
あとDeNAは球場で流れる映像とかクリエイティブなものを作るのもうまいので、「広告の動画作るとか楽しそうだな~」って思ったのがきっかけ。
学生時代からずっと野球漬けの人生を送ってきたので、野球以外の畑で仕事してみたかったというのも大きいです。

引退前から次のお仕事へのビジョンを固めていたんですね。

小:そうですね。起業したらすぐにビジネスとして成立させたかったので、前段階から色んなジャンルの人に声をかけて、会社作った時にはすでにたくさんの仲間がいました。
あ、でもちゃんと野球もやってましたよ(笑)

“好きなことや楽しいこと”と“はたらく”がイコールになるのが僕の理想

起業するってかなり勇気がいることなのかなと思うんですが…。不安や心配ごとってありましたか?

小:人生って一回きりだし失敗しても死にはしないでしょ(笑)。とりあえず一回やりたいと思ったことをやってみようって感じで、あんまり不安材料はなかったですね。

会社は最初から軌道に乗ったのでしょうか?

小:いえいえ、もちろんうまくいかないこともたくさんありましたよ。その度にみんなで、「これヤバくない?」「ヤバイよね(笑)」って笑ってパワーに変えてきた感じ(笑)

最初から楽しく仕事できていたってことですか?

小:うーん、というか僕は楽しくないと何もできないタイプなんですよ、これは性格ですね(笑)

すごくポジティブに仕事に向き合われているように見えるんですが、小杉さんにとって“はたらく”ってどういうものだと思いますか?

小:僕は、“はたらく”と“好きなことや楽しいこと”がイコール。
楽しいという気持ちの延長線上で仕事しているので、仕事と好きなことを区別してる感覚がそもそもなくって

野球選手というご職業は、“好きを仕事にする”というジャンルでもかなり究極な印象を受けるのですが、プロになってから意識の変化はありましたか?

小:プロになった時も趣味の延長って感じで仕事って感覚がなかったんですよね。
野球をビジネスとして割り切っていて「野球が面白いと思ったことがない」って選手もいるんです。けど、ビジネスとか趣味とかそこを区別しないで、自分が楽しいと思ったことがそのまま仕事になるのが僕の理想。

好きなジャンルで一歩踏み出せば必ず何かが見えてくる

“はたらく”を楽しむために必要なことはなんだと思いますか?

小:さっきも言いましたけど、失敗したって死ぬわけじゃないので何でもとりあえずやってみること。やってみないと何も始まらないですよね。

その“とりあえずやってみる”ものも見つからない場合はどうしたらいいでしょうか…?

小:自分のちょっとした特技や好きなことでもなんでも、絶対活かせる場所があると思うんですよ。
例えば野球選手って数字にすごく強いし記憶力もいいんですよね。
自分の今打率がどうなっているか、一点取られたから防御率が下がって「やべえ、年俸にひびく!」とか(笑)、瞬時に計算できるんですよ。
そう考えたら計算に強いってことを何かの仕事に繋げられて選択肢も増える。チームマネジメントが得意な選手が多いからそっち方面も進めるし。

誰しも何かしら興味があったり得意なジャンルがあったりするってことですね。

小:本当にちょっとしたことでもいいと思うんですよ。
自分が得意と思えることや、「これ好きだな」って思えることに関する何かをまずやってみればいいと思う。

やってみて苦手だなって思った時はどうするんですか?

小:やってつまんなかったらすぐ辞めちゃえばいいんですよ!何回だってやり直しはきくんです。
「あ、これダメだな」と思ったらすぐまた違うものを探して、新しく始めればいい。

「すぐ辞めちゃえばいい」って心強いですね(笑)

小:あとはシンプルに“自分は何をしたいのか”を決めること。
「お金を稼ぎたい!」とか「社会に貢献したい!」とか、まず一つ、やりたいことを決める。そういうぼんやりしたイメージだけでもいいと思うんですよね。

一つシンプルな目的を持つということですね。

小:「やりたいことだけど給料低いから現実的に無理」と言われると、「いや、でもやりたいんだったらやった方がいいよ」って思う。
そこで稼げるかどうかを気にしてる時点でもうそれはやりたいことじゃないんじゃないですか?って。
「お金を稼ぎたい」が目的だったら大企業に入るとかまた別の道がありますよ。

何か目的を一つ決めるとビジョンが定まるということですか?

小:“お金を稼ぐ”っていう目的で働きだしてから仕事内容が面白くなる人もいるし、入り口は何でもいいですよね。
僕自身もプロ野球選手を目指したのは、お金持ちになるなら野球やるのが一番の近道だと思ったから。
母子家庭だったので、プロになればお金を稼げて親孝行できると思って目指したんです。でも野球はずっと好きなままプロとして働くことができました。

好きなことが仕事に繋がるというのは今も昔も変わっていないんですね。

小:そうですね。あと僕はわからないことを人に聞くっていうことに抵抗がないんですよ。
野球選手であったことへの誇りはあるけど変なプライドはないというか。性格っていってしまえばそれまでだけど、新しいことに飛び込むのが苦じゃないんですね。

違う業界に転職されると最初はわからないことばかりだったと思うんですが…。

小:もちろん、最初はわからないことばっかり。
でも、わからないことがあったらすぐググる。その場でははったりでもいいからわかってるフリしてからすぐ調べる
そうしたらどんどん色んなことをクリアしていって自分の身についていく。やりながら学んでいる感じです。

“はたらくを楽しもう”としている方へのメッセージをお願いします。

小:“とりあえずやってみる”って難しく聞こえるかもしれないけど、自分の好きなこと、得意なこと、やってて楽しいこと、やってみたいことって誰しもあると思う。そのちょっとした自分の気持ちを大切に一歩踏み出せば、きっとその先に“はたらくを楽しめる”何かが待っていると思います。

小杉 陽太さん(こすぎ ようた)

実業家/株式会社l’unique代表取締役

小杉 陽太さん(こすぎ ようた)

2008年、横浜ベイスターズに入団。投手として活躍後、2017年に現役引退。引退一ヵ月後に自身の会社「株式会社l’unique(リュニック)」を設立し、イベント制作やPR事業を経て現在は広告、動画事業を展開している。

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