プロバスケットボール選手 本多真実さん 「CAMPは、凝り固まった考えをほぐしてくれた存在です」

CAMP卒業後、各分野で活躍する先輩たちの声をお届けしている当コラム。第2回はトヨタ紡織サンシャインラビッツで、プロバスケットボール選手として活躍する本多真実さんにお話を伺いました。インタビューには「はたらクリエイティブディレクター」の佐藤裕が同席。就職活動中、自分の進むべき道に迷ったときには一体どうするべきなのか。ぜひ、本多選手の体験談を参考にしてみてください。

「夢を諦め、就活している最中に出会ったのが裕さんでした。」
CAMP クルー:
本日はよろしくお願いいたします。本多さんは2016年、新しいチームに移籍されましたね。2年目となるシーズンはいかがでしたか?

本多真実さん(以下、本多):よろしくお願いいたします。そうですね、今のチームはひとりの選手が複数のポジションをこなす独特なスタイルが特長で、私もこれまで経験したことのないポジションを任されています。新しいことに挑戦するやりがいは日々感じていますね。2017年はクォーターファイナルに進出しましたが、あと一歩のところで敗退してしまったので、来年はよりいい成績が残せるよう頑張りたいです。

CAMP クルー:一見すると順調なキャリアですが、大学生のとき一般企業に就職しようとしたとか?

本多:はい。プロの選手は小学生の頃からの夢でしたが、高校の3年間で「バスケと距離を置きたい」と思うようになったんです。私の高校は日本一常連の強豪校だったのですが、「日本一になって当たり前」というプレッシャーは想像以上に強烈でした。チーム内の競争も激しくて、仲間の誰かに勝たないと試合に出られません。キャプテンとして日本一も経験しましたが、だんだんバスケが楽しくなくなってしまって・・・。そういうバスケから離れたいと思ったんです。

佐藤裕(以下、裕):本多さんと初めてお会いしたのは2013年だったと思いますが、そのときのことを覚えていらっしゃいますか?

本多:はっきりと覚えています。だって、私の人生を変えた出会いですから。「プロにはならない」と決めて、就職活動をスタートさせてすぐのことでした。

「このままでは後悔するから、自分の気持ちに素直になろう。」
CAMP クルー:
その出会いで何が変わったのでしょうか?

本多:就職することに迷いはありませんでしたが、佐藤さんとの面接の場で言われたんです。「絶対にプロになった方がいい」と。

裕:事前に人事スタッフから「どうしても採用したい学生がいる」って聞いてたんですけど、お会いしてみるとどこか違和感があった。「バスケの道ではなく就職すると決めたんです」と言っているのに、どうも言葉に気持ちが乗っていない。このまま就職すると彼女はきっと後悔すると思ったので、ストレートにそう伝えました。

本多:いちばん大きかったのは、佐藤さん自身も同じ経験をされていたことです。野球でプロを目指していたのに、途中で諦めてしまい後悔をしたという話を聞きました。自信に満ちキラキラしている佐藤さんにもそういう過去があったことを知って、「このままでは後悔するのではないか、自分の気持ちに素直になるべきではないか」と自分の中で考えが変わりました。

裕:どこの会社も「ウチに来い」と言う中で、真逆を突いたことにインパクトがあったのかもしれないですね。

本多:確かに、ふつう人事の方は、そういうこと言わないですよね(笑)。結局、どうするべきか迷ったまま4年生の夏を迎え、ユニバーシアード(「大学生のオリンピック」と呼ばれる国際競技大会)の選抜メンバーに選ばれたんです。この大会で14位という悔しい結果に終わり、そこで気持ちが固まりました。「このままではやめられない、現役を続けたい」と。今思うと、当時の私は「就職する!」と意地になって、後に引けなくなっていただけなのかもしれません。

裕:就職かプロの道かで迷っていると言うので、ギリギリまで待ったんですよ。4年生の秋まで。もう就活はとっくに終わっていたんですけど、「もう少し待ってほしい」と会社を説得しました。一人の若者が自分にあった選択をして輝いていく。その道のりを応援したいですし、何より、どちらを選んでも、それを本人が自分の意思で決めたということがすごく大事なんです。結局、採用できず会社からは怒られましたけど(笑)。

本多:ちょくちょくメールでアドバイスをくださったのですが、これが本当に心が揺れ動いているタイミングで届くんですよ!「全部お見通しだな」と思いました。佐藤さんの「プロになった方がいい」という後押しがなければ、引退していましたね。

「プロになる気持ちが固まったのは、就職活動を経験したから。」
CAMP クルー:
当時の選択に後悔はありますか?

本多:まったく!雪辱を誓った2年後のユニバーシアードで世界4位になれて、心の底から「やめなくてよかった!」と思いました。今も本当にバスケが楽しくて、ターニングポイントで佐藤さんと出会えた私は運がよかったです。
※ユニバーシアードは2年に一度開催され、卒業後1年以内であればプロになっても出場可能。

裕:就職活動をしていると、どうしても考えが凝り固まってしまいます。それを大人にほぐしてもらうことが大事ですね。

CAMP クルー:就職活動を通じて得たものとは?

本多:小さい頃からずっとバスケ一筋の人生でしたから、世の中のことをあまり知らなかったんですね。大学でいろんな人に出会って初めて「バスケだけの世界って狭い世界だったんだ」と気づいたくらいなので。就職活動で多くの人に出会い、いろいろな道を模索したからこそ「プロになろう、それが自分にとってベストの道だ」という気持ちが固まったんだと思います。

CAMP クルー:最後に、就職活動を控えた学生のみなさんにメッセージをお願いします!

本多:たくさんの人、そしてたくさんの価値観に出会ってほしいと思います。大学生のときの私みたいに自分の考えにこだわるのではなく、いろんな視点から物事を見るということが大事ではないでしょうか。

裕:「できるだけ多くの人に会って、就活の常識や自分の考えを疑ってもらう」というCAMPの目的と同じですね。これからも頑張ってください。応援しています。ありがとうございました。

 

<本多真実さんプロフィール>