マキ・コニクソンさん対談[後編] 好きなことを始めるのに、年齢は関係ない。経験を積む中で、情熱を持てる仕事との出会いを。

各業界の第一線で「はたらくを楽しむ」人たちを紹介するコラムの第1回。ハワイを拠点に“カリスマコーディネーター”として活躍しているマキ・コニクソンさんをゲストに迎え「はたらくを楽しむ」ヒントを探っていきます。後編となる今回はマキさんが日本の就活について感じることや学生へのメッセージなどを語ってくれました。

「働くことにランキングなんてない。」

佐藤 裕(以下、裕)就活中の学生からよく聞くのが、やりたいことが見つからないという相談です。人気企業ランキングの上位企業から、順番に就職試験を受けていくという学生も少なくありません。

マキ・コニクソンさん(以下、マキ):私は働くことにランキングなんてないと思うんです。みんなと同じように就活をして、みんなが良いという企業に就職した先にあるのは普通の人生、いわゆる“one of them”です。もちろん、それで納得して幸せな人生を送れるなら何も問題ないですが、実際にはそうじゃない人が多いから仕事が続かなかったり、働きながら文句を言い続けたりして、その結果ハワイに来るんです()。みんな考えたい時はハワイ来るみたいで、学生さんもよく来ていますよ。

「実際に働く中で、好きなことは派生していく。」

裕:僕も社会人になってから仕事もプライベートも行き詰まった時期に、やはりハワイに行きました(笑)。ひとりでレンタカーに乗ってノースショアまで走っていたら、悩んでいたことが吹き飛んですごく気持ちがスッキリしたことを覚えています。

マキ:あの大自然とアロハスピリットに触れると「何を悩んでいたんだろう」と頭がクリアになりますよね。ハワイに限らず、学生さんは就活をする前に1年くらい旅に出て世界を見たらいいんじゃないかな。私自身、大学3年次にバックパックで世界を周り、いろいろな景色や人に触れて刺激を受けた経験が一生の宝になっています。そうやって広い世界を見ることで、世間体やステータスに惑わされず、自分が誇りを持てる仕事に就ければ、それが一番かっこいいと思うんです。

裕:僕もそういう経験はとても大事だと思うんですが、日本の就活では年齢をすごく見られるんですよ。1年休学しただけで企業側から「遊んでいたの?」と思われてしまうなど、生きた経験を評価する尺度がないのは日本の就活の問題点かもしれません。そういう背景もあり、僕がいつも思うのは、やりたいことを見つけるのは社会に出てからでも遅くないということ。

マキ:私も全然遅くないと思いますよ。私だって新卒時には「とりあえず」とテレビ局のほか、航空会社や商社などの就職試験も受けていました。英語力を活かしたいというひとつの軸はありましたが「どうしてもこれがやりたい」というものは、その時点ではまだ定まっていませんでしたから。社会に出て働いてみて、好きなことがどんどん派生していく中で自分のやりたいことに出会えたのが30歳の時です。

裕:マキさんのような“天職”に就いている方でも、やりたいことが最初から見つかっていたわけではないんですね。

マキ:そうです、“Never too late”と言ってアメリカでは年齢をあまり気にしないので、40歳から大学に通って医師になる人も珍しくありません。好きなことを始めるのに年齢は関係ないと思います。だから今すぐ情熱を向けられるものが見つからなくても、焦る必要は全然ありません。そういうのは無理に探すものではなく、自然に出会うものですから。

「仕事とプライベート、相乗効果でハピネスを回す。」

裕:いろいろと見たり経験したりする中で、自分が情熱を持てるものに気づくのかもしれませんね。ところで、出会いと言えば、最近の若者は恋をしないんですよ。恋人がいる人の割合は年々減少傾向にあるという統計が出ています。

マキ:そうなの!? 私なんてずっと恋愛していますよ(笑)。

裕:そんなに忙しそうなのに、恋愛をする時間はあるんですか?

マキ:時間は自分でつくるもの。仕事の依頼があっても、プライベートの大事な先約があれば迷わずそちらを優先します。私はオンとオフ、メリハリのある働き方が好きなんです。ただ幸せの形は人それぞれですし、恋愛や結婚もその人の自由ですから「みんな絶対結婚した方がいい」なんて思いませんよ。

裕:いや、僕は結婚したいです(笑)。親がハワイで結婚式を挙げているので、自分もハワイで、ということだけは決まっているんです。

マキ:素敵!そういうことならぜひ結婚していただきたいです。

裕:恋愛から学べることは多いですしね。

マキ:恋愛を通して自分のことが見えてくるし、人としても成長すると思います。それに仕事とプライベートは別々なようで、実はつながっていると感じています。プライベートが楽しくなることで仕事ものってきて、相乗効果で人生のハピネスが回っていく。だから恋愛も仕事も、経験することで得られるものは大きいと思いますよ。

「チャレンジしながら、長い目で好きなことを見つけて。」

裕:マキさんは常に新しいことにチャレンジされていますが、今後の夢や目標は何ですか?

マキ:最近はテレビ番組や雑誌などの企画プロデュースを依頼される機会が多いんですが、それがとても楽しくてやりがいを感じています。これまで培ってきた人脈を活かし、「この2人が対談したら面白そう」など普段は共演しないような大物俳優同士のセッティングなどを手掛けています。そういった、まだ誰も実現していないことを考え、形にしていくことにどんどんチャレンジしていきたいです。

裕:いくつになっても新たなやりがいが見つかるんですね。そう思うと若い人にも「自分はこうだ」と決めてしまわず、失敗を恐れずにどんどんチャレンジしてほしいと思います。

マキ:そうですね。たとえ上手くいかなくても失敗から学べることは大きいですし、今やりたいことが見つからないからと言って「自分はダメなんだ」なんて決して思わないでもらいたい。経験値を上げながら、好きなことややりがいを持てることを長い目で見つければいいと思うんです。どんな仕事でも辛いことや苦しいことはありますが、自分が好きで選んだ仕事ならとことん頑張れるはず。常に前を向いて、“Move on”です。

裕:マキさんのお話を聞いて僕もパワーをもらいました。貴重なお話、本当にありがとうございました!